『特殊目的』の韓国語学習者に関する授業

私が9月からの1学期目、火曜日に2つ授業を入れたことで苦労しているのですが、それは今学期この授業をどうしても取りたかったからでした…。その授業は日本語に直訳すると「特殊目的韓国語学習者研究」という授業です。

最初「特殊目的」って何?と思いましたが、私も「学問目的」というある意味?特殊な目的を持った韓国語学習者になるらしい。おそらく韓国での「特殊目的韓国語学習者」の研究の始まりは結婚移民者が大きかったと思いますが、労働者や多文化家庭の子どもも増え、そのほか移民者やビジネス目的など、様々なカテゴリーに分かれるようになりました(特にここ10年くらいでかなり発展したように感じます)

この授業では、それぞれの学習者別に現状や政策・教育支援の環境・教材・教育課程・関連研究などを学生が調べてプレゼン発表をします。まさか学期中に4回もプレゼンすることになるとは思ってなかったけど・・・笑;

それぞれの学習者別に異なる教材が開発されているので、概要とその教材について簡単に紹介したいと思います(もしもっと詳しく知りたい部分があれば別途ご連絡ください…)本当はそれぞれ掘り下げて色々まとめたり語ったりしたいところですが、授業内容を日本語にまとめるのもかなり時間がかかる・・・^^;休み中なら出来るかも…

 

以前働いていた職場で、日本の多文化共生に関わる業務を担当(少しですが)していて、特に『外国につながる子どもへの日本語支援・教育』は個人的にも興味のある分野だったので、韓国でも多文化子どもへの韓国語支援について調べることが出来て嬉しかった…(期末レポートも子ども関係で書く予定)

(1)雇用許可制

雇用許可制:EPS (employment permit system)」とは、韓国の中小企業が外国人材を合法的に雇用することが出来る制度で、雇用許可制で韓国へ来る外国人労働者は、予め「EPS-TOPIK」という専用の試験に合格しなければいけません。なので、雇用許可制の労働者にはこのEPS-TOPIK対策の教材があります。(一般のTOPIKとは内容も構成も違う)

韓国標準教材1,2(韓国産業人力公団)

(移住労働者のための)アジャアジャ韓国語 →この教材は、韓国に来た後の労働者向けです。韓国に来た後も「外国人労働者支援センター」などで韓国語教育を受けることができるとのことですが、十分な教育が受けられていない労働者が多いのも実情だそうですね…。

(※雇用許可制については別記事で概要についてまとめる予定です。)

(2)結婚移民者

私の周りにも結婚移民者を研究対象に論文を書いた人がけっこういます。以前から地方(農村など)に結婚を理由に来た外国人は多いのですが、韓国語を学ぶ環境が特殊だったりもするので、一般学習者と韓国語の語彙や特徴を比較したり、結婚移民者を対象にした教育案についての研究はかなりあると思います。

教材は「会話・聞き取り」中心の『楽しい韓国語』と「読解・作文」中心の『正確な韓国語』の2つに分かれています。

最近2019年に新しい教材が開発され、以前と比べて内容が男女対等な立場になっていたり、多文化家庭全体に関する内容になったようです。以前は『結婚移民女性』とよく呼ばれていて、「嫁」というイメージが強かったのですが、最近では『結婚移民者』と呼ばれるようになってきているらしいですね…。

例えば、以前の教材では『女性が家事、男性が仕事』というステレオタイプ的な内容だったのに、最近の教材では男性も家事や育児に参加し、女性も仕事をするという内容になったらしいです。(その分、義親との内容などの嫁っぽい部分が少なくなってしまったらしい、)

(3)移民者(社会統合プログラム)

実は、韓国でこのような移民者向けのプログラムがあることを知りませんでした。移民者が韓国社会の一員として韓国で定着するために、2009年から法務部が実施しているプログラムで、『(移民者のための)韓国語と韓国文化(初級・中級)』という専用の教材があります。

『社会統合プログラム』は<韓国語と韓国文化>が計415時間、<韓国社会の理解>が計70時間あり5段階に分かれていますが、履修した段階によって帰化申請や永住権申請をするときにプラスになるとのこと。私が驚いたのは、この過程は全て無料で受けられるということ……しかも全国で300を超える機関で実施されている…

この間実際に見ましたが、『韓国社会の理解』という教材はかなり難しそうな内容でしたし、文大統領についての記述があるなど、頻繁に最新の内容に更新されるようです。

(4)多文化家庭の子ども(※中途入国青少年)

多文化家庭の子どもの中でも、外国で生まれたあとに韓国に入国した子どもたちを『中途入国青少年』と呼んで、この子ども向けに入国後の初期段階に韓国語の支援をしています。調べてみたら思ってたよりも支援が多くて驚きました…。

代表的なのが教育部が実施している『多文化教育政策学校 韓国語学級(旧名称:多文化予備学校)』で、中途入国青少年や外国人児童・生徒が多く在籍する学校に設置されるそうです。教育課程が2017年に変わり、教材も新しくなったとのこと。

『標準韓国語』(国立国語院) 小学生、中学生、高校生用と学年によって教材がかなり細分化されています。

また、教育部だけではなく、女性家族部でも「レインボースクール」という入国初期段階での支援プログラムを行っていたりします…(※今後、別記事でまとめる予定です)

(5)ビジネス目的の学習者

ビジネス目的については、会社などでよく使う文法・用語中心のビジネス韓国語学習者のための教材が色々ありますが、ここでは省略します。

 

あと1回でプレゼンが終わる・・・・

授業では、今(5)のビジネス目的まで進んでいて、最後に「学問目的の韓国語学習者」の研究について触れて終わる予定です…。私はこの学問目的のところのプレゼンを今準備しています(笑)今学期最後の発表になりそうなので、満足のいくプレゼンが出来るようにがんばります・・・(しかも発表内容も、「学問目的の韓国語学習者のためのプレゼン教育」笑)

 

「雇用許可制」「中途入国青少年」については、このあと別投稿でもう少し詳しくまとめる予定ですので、興味のある方は少々お待ちいただけると嬉しいです…(いつになるか……😢)

 

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